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むしろと太陽でつくる「日干番茶」

今年もやってまいりました。日干番茶。

張り切って、去年よりも少し多めに仕入れたものの
「え?去年残ったのに多めに仕入れたの?大丈夫?」
なんて、武司くんに言われてしまった、店長のゆきです。

去年は干している合間に雨の日があったりで、ちょっと苦労したのですが、今年は台風直前にカリカリに乾き(枝の部分がポキっと折れるくらい)、よい感じに乾きました。



ちなみに、これが乾かすのに使う「むしろ」です。

ホームセンターにも「むしろ」って、売ってるんですが中国産です。
今はもう日本にはむしろを作る人がいなくて(いたとしても自家用を作るだけだと思います)店頭で販売されているのは、全部外国産です。

むしろ織り機って見たことありますか?
ないですよね。
もはや、博物館にあるレベルのものです。
まず、ワラで縄をなって(手で…こう…ワラを撚り合わせていくこと)、それを基本に布を織るように作って行くわけなんですが、って。
そんなにもうやるひとおらんわけです。
なので、国産のむしろは今あるものを使い切ったら、もう終わり。って感じなのです。

で、なんでむしろにこだわるかと言うとですね。むしろの感触が好きなんです。
むしろなんて、昔は貧乏の象徴みたいに、乞食が敷いていたり、畳のない家で使っていたり、まあそんなものでした。

けど、ビニールシートに比べると、ふかふかだから下に小石とかあっても影響しないし、素材がワラだから、地面が熱くなってても伝わらないし、太陽熱も蓄積されにくい。蒸らしたお茶っぱの水分をうまく逃して、すばやく乾かしてくれます。



むしろと比べると、ビニールシートは蒸れる感じがあります。

だから、むしろはほんとに優秀なんです。
去年も言ってるけど、今年もいいます。

むしろってすごい機能的なんです!!
 

さてさて、次は太陽です。

この真夏のあっちっちの太陽光線で、お茶を乾燥させるわけですが、今の時代、日干しするなんでのは非効率の極みであって、やっぱ雨も降ってきたりしますし、そうなると、大量に作ってると仕舞ったりするのが大変じゃないですか。



うちでも、むしろ8枚使いますけど、雲行きが怪しくなってきたら、中に仕舞うし、夜も急に雨が降ってくる心配があるので、やっぱり仕舞います。そんな面倒なこと、通常のお茶屋さんやらないです。忙しすぎて無理です。どこもみんな機械乾燥です。うちにお茶っ葉を卸してくれている中村さんも

「無理!!」

って言ってます。だから、中谷武司協会の前庭で乾かしてます。

だってねえ、普通に太陽で乾かしたいじゃないですか。別に自然主義じゃないけど、普通に作ったお茶を普通に飲みたい。今はペットボトルのお茶が普通になっちゃって、それしか飲んだことのない人がこの日干番茶を飲むと

「え、なんかヘンな味」

って言うんですね。それは確かにそうだと思います。基本がペットボトルだから。

でも、飲み続けていると、今度はペットボトルのお茶が飲めなくなります。

農薬も肥料も使わずに育ったお茶を蒸して太陽で乾かした。

たったそれだけのお茶を、今の時代、逆に飲めないと言うのが不思議ですよね。



でも、うちのお茶別に高くないです。このお茶は煮出して飲みますが、思ったよりも茶葉は少なめでも出ます。透明感があってスッキリとした飲み心地です。試しにぜひ一度飲んでみてください。





中谷武司協会の「日干番茶」は、「ちゃんとむしろで天日干し」。

さあ、みなさんも一緒にどうぞ。

ちゃんとむしろで天日干し!


webshopでの販売も始まりました!

日干番茶 50g
日干番茶 100g

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