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京都での民泊嫌われ具合は、軽井沢と並んで日本一ですが、なぜそうなのか。
これは一度京都に行って確かめる必要があろう。
その前に、まず「民泊」というものについて少し説明したいと思います。
民泊には「合法時代」と「グレー時代」があります。
2018年6月15日以前がグレー、以降が合法です。
民泊が嫌われたのは、このグレー時代、つまり、法律がなかった時に投資目的で個人、企業の色んな人が「自分の物件」あるいは「借りた物件」に人を泊まらせて儲けた、ということにあります。
設けることが目的なので、労働を最低限にして利益を上げる必要があります。そこで、ずさんな管理をして、問題が次々に起きて、
民泊=怖い
民泊=けしからん
民泊=なんか腹立つ
という図式ができあがってしまいました。それが2016年~2017年のことです。
しかし、一方でちゃんとやっている人たちもいます。彼らの目的は「設けること」よりも「世界が広がること」と「使っていない物件を有効活用すること」なので、利益のためにわざわざ借りて運営しないし、自分の敷地内や、おばあちゃんの使っていた家など自己所有の物件を使って人と泊めています。もちろん、地元とつながりのある人間が運営しているので、周囲のことにも気を配るし、自分の暮らす町のポテンシャルを上げたいので、「儲け至上主義」の民泊の人たちとはまったく別のベクトルです。
京都が観光地として有名すぎるため、そこに集中して投資が行われるわけですが、その殆どは地元民ではないと、京都の知人が言ってました。
「京都の人がやってるんなら全然歓迎やし、応援するよ。けど、違うからね」
実際、ちょっと町の路地へ入ると、民家を宿にしたものや、これから宿にしようとしているところ、あるいは、以前宿だったけど、やめました。みたいなところがたくさんあります。
これはこれから民泊を始めようとしている場所に運び込む電化製品でしょうか。
冷蔵庫や洗濯機などがあります。
置いてある看板はまだ何も書いてなくて、これからなのでしょうか。
あるいは、もう民泊をやめたところでしょうか。
今回の法律で民泊をやめる人たちの家具がメルカリで大量に販売されていたともいいます。
これは、先程の看板のあった建物。この横に増築をするようです。建物を保存して使うのはいいと思うのですが、東京の業者がやるのは何かちょっとなぁ、という感じも受けます。
ここも民泊の施設っぽいですね。
この斜め前にも宿泊施設があって、そこはアパート形式ですが、前の駐車場にはこういうサインがありました。
狭い町中でいろいろ問題があるだろうと想像がつきます。
今回、スタッフS子ちゃんに民泊選びからコンタクトまで一切を任せてやってもらいました。実際に民泊を使ったことのない人の気持ちになってみるには、私自身がやるよりも、知らない人がやったほうがいいかな、と思ったのです。
京都は日本で一番訪日外国人が多いので、民泊仲介サイトの大手、Airbnbの件数も半端ありません。はっきり言って、違いも分からん。
見ると分かりますが、
・和箪笥
・着物
・扇子
・掛け軸
・番傘
・のれん
・習字
・浮世絵
まあ、大体このようなもので部屋が装飾され、分かりやすい日本っぽさを醸し出しています。
部屋選びについては、別のスタッフS子ちゃんからのリポートがあるとは思いますが。
民泊は
「暮らすように泊まる」
というのが一般の売り文句です。地元の情報や、ホスト(部屋の持ち主)との交流などが一般のホテルなどとは違うわけなのですが、京都でそれを期待することはほぼ皆無でしょう。
実に業務的で、おそらくいくつもの企業が入り込んで、十数件単位の物件を管理しているようです。私たちの泊まった宿のwifiには20番代の番号が振られていたので、おそらく20軒以上の物件をまわしている業者でしょう。
S子ちゃんとのやりとりで、最後に
「次回日本に来たときもぜひ当宿をご利用ください」
というメッセージが来て、なんとも舐められてるなぁ、と。ちなみに、この宿に掲げられたプレートの管理会社をネットで調べたら…
中国人の会社
でした。
まんまと、京都でもっとも嫌われている中国人経営の民泊を利用したのが私たちです。ハイ。
そう思うと、前回私が書いた「着物ショップ」も中国人の経営の可能性が高い。日本に来る中国人を相手にするなら、中国人のほうに利があります。本国で集客して、日本で受ければいいんですから。
私たちが利用した民泊は日本の法律に沿って経営しているけど、中国人だけが相手なら中国でしか使えないWechatで日本の宿を紹介して、京都駅についたところを車で送迎。なんてやる違法民泊はいっぱいありそう。
現に、民泊新法が施行された最近でも違法民泊が3000軒発見されています。そもそも日本人がそんなに民泊利用するわけないので、すべてターゲットは訪日外国人。まあ簡単に言えば中国人です。
同様に、東京や大阪、沖縄や札幌など、訪日外国人が多いところで質のよい民泊を探すのはとても難しそう。まず、選びにくい。経営本体が分からない。Airbnbを見ても分かりますが、個人を装った企業であることがほとんどです。そうなると、そういう場所では、もう普通にホテルでいいんじゃないの?ってなります。
話には聞いていたけど、実際に自分たちが中国人経営の民泊に泊まったことに驚いたわけですが、思った以上に、インバウンドに中国人が食い込んでいる実態を思い知った、今回の京都旅行でした。